彼女の体は確実に崩壊へと近づいていた。
「生きていたい」そう訴える彼女の見つめる先には
無邪気に笑う少女の姿があった。
「このままでは彼女は長くないぞ」
このままいけば確実に死ぬ
医者から告げられた衝撃の一言
もう雅音の体は限界が近いようです。
雅音「思ったより早かったな・・・」
雅音自身もわかっていました。崩壊の時が自分の体に迫っていることを。
奈月ビルに戻ってきた雅音を元気付けるためにリコたちはご馳走を作る
計画を立てる。
ベッドで休んでいる雅音だったが突如襲う腕の痛み
その時彼女の目に飛び込んできたのは梨穂子が描いた未来予想図
雅音「やだ・・・まだ・・・死にたくない・・・」
死んでしまったらもうリコと一緒にいられなくなる。
雅音は人知れずベッドの上で涙を流すしかなかった。
そんな彼女の思いをあざ笑うかのように新たな危険が彼女を待ち受ける。
鷹山の行動が怪しいと読んだ斗沢は鷹山の後をつける。そして鷹山と
共に訪れた導示の施設で見たもの、それは新しい力を手に入れた
ウィッチブレイドに反応する３００体ものＩウェポンの存在。
ウィッチブレイドに反応しないように開発されたものであったが
雅音が新しい力を手に入れてしまったことにより、今まで反応しなかった
Ｉウェポンが誤作動を起こし始めた。
一人どこかの工場へとやってきた雅音はウィッチブレイドを破壊しようと
その腕に刃をつきたてるがウィッチブレイドに傷一つつけることは
できなかった。
自分の腕を犠牲にしてでもウィッチブレイドを破壊しようとプレス機に
自分の腕を置く雅音の姿があまりにもせつないです。
でも結局はウィッチブレイドによってプレス機も破壊されてしまい
なすすべなし。
雅音「どうして私なの！どうしてリコなのよ！どうして！どうしてよ！
誰も望んでないのに！どうしてよ・・・」
どうすることもできない現実がそこにはあった。
ウィッチブレイドから逃れるには死ぬこと以外に方法は無かった。
利用するだけ利用しといてこれかよ！と鷹山に詰め寄る斗沢の姿が見てて
泣きそうになった。最初からこうなるとはわかっていたこととはいえ
実際に目の当たりにしてしまうと、そこにあるのはどうすることも出来ない
現実のみ。
自分が雅音の力になってやりたいけれど、その役目はもう自分ではないと
いう悲しさもあってのこの行動なのかな。
鷹山「おれにできることはそれを最後まで支えてやることだけだ」
鷹山もまた斗沢と同じ気持ちだった。
雅音「あんたはあたしを殺す、あたしが死んでもあんたは残る。そして
梨穂子は私と同じ目に。させない・・・絶対に・・・
あたしは死ぬ、だけどあんたも連れて行く一緒に・・・地獄まで」
雅音の前につきつけられた「死」という現実
もうじき梨穂子をその腕で抱くこともできなくなってしまうかもしれない。
しかし彼女は誓う。最後まで梨穂子を守ることを。
斗沢が奈月ビルに戻ると雅音激励パーティーの真っ最中
元気な姿を見せる雅音
雅音「ねぇ、写真とってよ」
突如、斗沢にみんなの写真を撮ってと言い出す雅音
そんな彼女を見た斗沢はただ何もいわず撮りつづけた
もしかしたらこれが梨穂子と一緒に写る最後の写真になるかもしれない。
そんな想いが雅音の中にはあったのでしょうか。今の幸せなひと時の
ことを残しておきたい。それは自分の為なのか、もしくは一人残して
逝かなければならない梨穂子の為なのか。
どちらにしてもあまりにも悲しすぎる写真撮影会でした。
斗沢もそれを理解していた。雅音がどんな思いで写真を撮ってと言ったの
かを。カメラの先で作り笑顔を浮かべるその女性の為に何枚も何枚も
撮りつづけた。
斗沢「ちくしょう・・・ぼけやがる・・・」
悲しみを払いのけるかのようにシャッターを切った斗沢のカメラには
満面の笑顔を浮かべる親子の姿が収められていた。
ほんとうにこのままなすすべが無いまま雅音は命の終わりを迎えるしか
ないのでしょうか・・・。絶対に梨穂子に同じ思いをさせたくないという
雅音の強い意志がとても辛いです。「死」というものを目の前にし
「生きる」ことを望む彼女の想いは自分の為というよりは梨穂子の為が
正しいのでしょうね。梨穂子は彼女のすべてであり生きる支え。
梨穂子の幸せこそが雅音の幸せであり梨穂子をも飲み込まんとする
ウィッチブレイドに対し、例え自分の身が崩壊することになっても道連れに
してやるという雅音の姿は愛情という言葉だけでは片付けられない何かが
ありますね。
鷹山さんなんとかしてよーー！
「護りたい。この身が滅びても」
後半になって「親子愛」そして「死」というものが強いテーマと
なってきたこの作品。
本物の親子の愛は果たして襲い来る「死」を乗り越えることが出来る
のでしょうか。
ＥＤの明るさが一層今回の悲しさを引き立てていたように思った。
願わくばもう一度、笑顔で笑う親子の姿が見れますように・・・。
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